夏休みの宿題で大変なものといえば読書感想文でしょう。
しかも頑張って本を読んで、いざ読書感想文を書いてみても。
「原稿用紙があらすじばっかりになってしまったんだけど、これって大丈夫?」
「あらすじってどのくらいまで書いていいの?」
と悩む人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は「読書感想文のあらすじの書き方」をご紹介。
見本例文も一緒にまとめていますので、小学生、中学生、高校生などで読書感想文がまだの人はぜひ参考にしてくださいね。
読書感想文のあらすじはどのくらいまで書いていいの?
読書感想文にあらすじは必要?
最初に少し気になるのは、読書感想文にあらすじを書く必要があるかどうかです。「なんとなく最初の方にあらすじを書いてしまうけど、この部分って必要なの?」
と疑問に思っている人もいるでしょう。
実際問題、あらすじが必要かですが、読書感想文は本を読んだ感想を書くものです。
さらに読書感想文の読み手は本の内容を知っているという前提で書きます。
なので、読書感想文にあらすじを書く必要はありません。
もし「あらすじ書くのって嫌だなぁ」「あらすじで文字数が取られちゃうから書きたくない」という場合は書かなくてOKですよ。
本の感想のみを書いていきましょう。
あらすじを書く量に決まりはある?
「読書感想文を書いてしまったら、半分以上があらすじで埋まってしまった」文章を書くのが苦手な人だとそうなるのも珍しいことではありません。
本当に苦手な人なら「できるだけアラスジをいっぱい書いて原稿用紙を埋めたい」って思っちゃいますよね。
が、あらすじの書きすぎは要注意。
先生から「これは本を読んだ感想ではなく、ただの本の内容だ」と怒られる可能性があります(笑)。
あらすじは全体の一割まで、どんなに長くても全体の三割までにするのが無難かな、と思います。
前述した通り読書感想文は感想を書くものですので、あらすじ部分は短ければ短いほど良いですし、そちらの方が高評価を得られやすいです。
ちなみに全体の1割~3割は以下の文字数になりますよ。
- 原稿用紙2枚…80~240文字(4~12行程度)
- 原稿用紙3枚…120~360文字(6~18行程度)
- 原稿用紙4枚…160~480文字(8~24行程度)
- 原稿用紙5枚…200~600文字(10~30行程度)
もちろん「そんなに書かなくていい」という人は、無理にあらすじを書く必要はありませんよ。
ちなみに読書感想文の原稿用紙ですが、以下の枚数になる学校が多いようですので参考までにどうぞです。
- 小学1~2年生(低学年)…2枚
- 小学3~6年生(中・高学年)…4枚
- 中学生・高校生…5枚以上
あらすじで文字数を稼ぎたい場合の対処法
あらすじは少ない方がいいです。が、「いやいや本の感想なんて書けないし、とりあえず書いてしまえば先生からの評価なんてどうでもいい」という人もいるでしょう。
そんな人の場合、ほぼあらすじの読書感想文もありなのかな、と。
もちろん評価は悪くなるでしょうからあくまで自己責任です。
ただ、なにも読書感想文だけが子供の評価を決めるものでもないですし、他にやりたいことがあるなら読書感想文はササッと終わらせて得意分野に時間を割いてもいいんじゃないの?
と個人的には思っていますし、自分の子供もそれでいいと思っています。
とはいえですね、さすがに9割あらすじの読書感想文というのアレなので「読書感想文が苦手」という人は以下のページを参考に読んでみてください。
*1~2年生向けの読書感想文の書き方ですが、例文付きで簡単に書く方法やテンプレを紹介しています。中学生くらいまでならこれでイケるはず。
読書感想文のあらすじの書き方 簡単に終わらせるコツは?
あらすじは書く場所は?
「読書感想文のあらすじってどこに書けばいいの?順番ってある?」そう思うかもですが、あらすじを書く場所に特に決まりはありません。
好きなタイミングで書いてOKです。
とはいえ、一般的には書き出しのあとにあらすじを書くというパターンが一番多いかなと思います。
ちなみに読書感想文の大まかな構成は以下の通りです。
- タイトル(題名)
- 書き出し…本を選んだきっかけ
- 本文1…あらすじ
- 本文2…本の感想、自分の体験談
- まとめ…本から学んだこと
もう少しわかりやすく書くとこんな感じです。
- タイトル
- 私がこの本を選んだ理由は~~~だからです。
- この本は~~~~な内容です。
- この本で特に面白かったのは~~です。なぜなら~~~だからです。(また私は~~~な体験があり、~~~だと思いました)
- 私はこの本で~~を学びました。学んだ~~をこれからの生活に活かしていこうと思います。
もう少し詳しく知りたい人は以下のページを参考にどうぞです。
あらすじは5W1Hで書く
国語の授業で「5W1H」って習ったことがありますよね。読書感想文のあらすじも、この「5W1H」を参考にすると書きやすいです。
- Who……誰が
- When……いつ
- Where……どこで
- What……何を
- Why……何のために、なぜ
- How……どうした
最低限「誰がどうした」の主語と述語があればOK。
この主語と述語さえきちんと書いておけばあらすじは伝わります。
無理に全部を書こうとすると複雑で長い文章になり分かりにくくなりますので、できるだけシンプルにまとめると良いですね。
*具体的な例文は後半で紹介します。
あらすじは物語の順番通りに並べる
あらすじを書く際は、起きた順番通りに並べましょう。例えば「桃太郎」の場合でしたら、以下のような感じです。
- おばあさんが川で拾った桃から、桃太郎が生まれた。
- 大きくなった桃太郎は村で悪さをする鬼を退治に出かけた。
- 途中で犬、サル、キジにきびだんごを渡し仲間になった。
- 桃太郎と三匹の仲間は鬼ヶ島にたどり着き、鬼をやっつけた。
- 村に平和が戻った。
なので、できるだけ省略し短くシンプルにまとめるのがポイントですよ。
ちなみに箇条書きではなく、文章としてまとめると以下のようになります。
桃太郎は桃から生まれた桃太郎が鬼退治をする話です。おじいさんとおばあさんに育てられ成長した桃太郎は村で悪さをしでかす鬼をやっつけに出かけました。きびだんごで仲間にした犬、サル、キジと鬼ヶ島にたどり着いた桃太郎は三匹と協力して無事に鬼を退治し村は平和に戻りました。
↑これで131文字ですね。さらにシンプルにまとめると以下のようになります。
桃太郎は桃から生まれた桃太郎が、きびだんごで仲間にした犬、サル、キジと一緒に鬼退治をする話です。
↑これだと48文字ですね。このくらいシンプルに一行でまとめてしまってもOKです。
感想部分を多く書きたいなら、このくらいが丁度良いと思います。
逆に「もっとあらすじを書いて原稿用紙を埋めたい」という人でしたら、評価が悪くなることを覚悟のうえでダラダラと細かいあらすじを書くのもありですよ。
読書感想文のあらすじ例文
それでは、読書感想文のあらすじ例文を紹介していきますね。「こんなふうに書けばいいんだ」という参考にどうぞです。
ぼくだけの山の家(小学校高学年~中学生向け)
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ぼくだけの山の家は少年サムの家出物語だ。大都会ニューヨークにある家を出て、キャッキル山脈の深い森でひとりで生活することにしたサム。ハヤブサ「フライトフル」とともに一年間も自然の中で過ごす。自らの力で火をおこし、食べ物は山や川にある物だけ。知恵と勇気でどんな困難も切り開いていくのだ。
家出物、冒険物といった児童書は多くありますが、この一冊は本当に素晴らしい。読んでいてワクワクしますし、大人でも夢中で読み続けてしまいます。
小学校高学年~中学生くらいにオススメです。
まほうのじどうはんばいき(小学校低学年~中学年にオススメ)
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学校からの帰り道に「あなたの みかた」と書かれている虹色の自動販売機を見つけたこうへい。ボタンを押すと、こうへいが欲しいものが出てきます。何でも出てくる自動販売機に夢中になったこうへいだけど、ある日、自動販売機が消えてしまうのです。
子供の頃に「ドラえもん」のなんでも出てくる四次元ポケットが羨ましかった私ですが。大人になった今では「それでいいのか、のび太よ」と違った目線で見ることができます。
この「まほうのじどうはんばいき」は子供目線でも、親目線でも読むことができる良書です。
字が大きい絵本になっていますので、小学校低学年から中学年までオススメ。
「もしこの自動販売機があったら僕はどうしただろうか?」という視点だと読書感想文も書きやすいですよ~。
AIロボット、ひと月貸します!(小学校中学年~高学年にオススメ)
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家族で訪れた未来科学研究所でAIロボットをひと月借りることになった英太。カップ麺をつくる要領でびっくりするくらい簡単に自分そっくりのロボットができてしまった。何をやらせても自分よりもちょっぴり優秀なロボット。最初はメンドクサイことや嫌なことを押しつけていたのだけど「まさか僕を乗っとるつもりなんじゃ?」と不安になります。
AIロボットなんて夢がありますよね。科学がすごい勢いで発展している現代、もしかしたらこんなロボットができるのも遠い未来の話ではないかもしれません。
さて、上のあらすじのみだと「よくあるSFもの?」と思いがちですが、ラストは感動で涙が出てきます。
ロボットの便利さ、恐ろしさ、そして友情が描かれた素晴らしい本です。
この本も「もし自分そっくりのロボットがあるならどうするだろうか?」という視点で読書感想文を書きやすいですよ~。
5000キロ逃げてきたアーメット(小学校高学年~中学生)
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アレクサの学校にやってきたのはシリアからの難民アーメットだったのですが、アーメットの両親は行方不明で家族はバラバラでした。そんな時、イギリスが難民受け入れを中止すると聞いたアレクサ。このままではアーメットが両親と会えなくなると心配したアレクサはとんでもない作戦を実施します。
日本ではあまり馴染みがない難民問題をとりあげた作品です。難民受け入れの際の問題はおいといて、子供が友達のために一生懸命行動する。
その行動がニュースになり大人達を動かす。
このような若者が多く育って欲しいと思わずにはいられません。
小学生でも読みやすいように書かれています。高学年~中学生くらいの子どもにオススメですよ。
読書感想文例文~本を読む時間がない場合の裏技~
もし「読書感想文の本を読む時間がないんだけど」という場合でも大丈夫。大抵の本は「タイトル あらすじ」で検索すると、それっぽい内容が出てきます。
そのあらすじを読んだだけでも読書感想文を書くことは可能です(もちろん、良い子はマネしないように)。
例えば「美桜のペットさがしノート 大切な家族がいなくなった!?」だと、こんな感じの読書感想文を書けます。
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タイトル:家族の一員タマ
私は読書感想文の本に「美桜のペットさがしノート 大切な家族がいなくなった!?」を選びました。私も家でペットを飼っています。猫のタマです。もしタマがいなくなった時にこの本が役立つかもしれないと思ったからこの本を選びました。
この本は題名の通りいなくなったペットを探す物語です。また美桜の猫だけではなく様々なペットが行方不明になり、ペット探偵の相原さんがビックリするような方法で探していきます。
美桜がペットの猫と再会した場面は本当に感動しました。私ももしタマがいなくなったら美桜のように「もし事故に合っていたらどうしよう、もし死んでしまっていたら…」と不安になります。
実は以前一度タマが行方不明になったことがありました。家族と一緒に探しても見つからず本当に悲しくて不安で夜も眠れませんでした。結果的に翌日タマは戻ってきたのですが、ケガもなく戻ってきてくれた時は心の底からほっと安心しました。だから美桜がペットとまた会えた時は自分のことのように嬉しかったです。
私はこの本を読んで、改めてペットは大切な家族の一人なんだと思いました。タマがいると安心できますし一緒に遊ぶと楽しいです。もしタマがいなくなってしまったら、悲しくて涙が出てしまいます。動物も人間も関係ありません。一緒に生活しているなら、もう立派な家族です。私はこれからも大切な家族の一員であるタマと楽しく過ごしていきたいです。
そしてもしタマがいなくなったら、この本で紹介されていたペットの探し方を参考にして早くタマを見つけてあげようと思います。
さっきネットで本のあらすじ部分だけを読んで30分くらいで書いた読書感想文です。(すみません、本自体は読んでません。でも、この読書感想文でもいけるはず)
こんなふうに自分の体験談部分を多めにすると、本を読まずに読書感想文を書くことができます。
コツをつかむと簡単ですし、他の友達とも被らない内容になるので「本を読む時間がない」という時には試してみましょう(笑)。
読書感想文のあらすじの書き方まとめ
いかがだったでしょうか?読書感想文のあらすじは、短く簡単にまとめるのがコツですよ。
また、本を読むのが苦手な人の場合ネットで本のアラスジだけを読み書くことも可能です。
読書感想文を書く時に、この記事が参考になれば幸いです。
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