フランス国歌 ラ・マルセイエーズの歌詞の意味が怖い、ヤバい、残酷って本当!?

フランス国歌の歌詞が怖い!
フランス国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」といえば、一部で「歌詞が怖い、酷い、ヤバい、残酷!」と物議を醸し出す曲でもあります。

確かにフランス国歌の単語をいくつか抜き出すと「血まみれの旗」とか「下劣な暴君」とか「汚れた血」とか…なかなかのパワーワードが出てきます。

「こんな曲を子供に歌わせていいの、フランス!?」と思うレベルです。

が、実はこの歌詞、残虐な歌というワケではなく、フランス国民が血で自由を勝ち取ってきた戦いが元になって作られているんです。

 

というワケで今回は「フランス国歌であるラ・マルセイエーズの歌詞の意味」と「ラ・マルセイエーズが生み出された歴史背景」をわかりやすく説明しようと思います。

 

また、普通の訳だけではなく、さらに分かりやすい「フランス国歌超訳」や、フランス国歌を簡単に歌う方法もまとめていますので、ぜひ最後までご覧くださいませ。

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フランス国歌の歌詞原文と日本語和訳

「ラ・マルセイエーズ」

まず、「フランス国歌ってどんな曲だったっけ?」という人は上の動画をどうぞです。

歌詞原文&日本語訳付きで紹介されていますよ。

曲がわかったところで、まずはフランス国歌の原文と「一般的な和訳」から紹介していきますね。

1番の歌詞原文と和訳

Allons enfants de la Patrie,
Le jour de gloire est arrivé!
Contre nous, de la tyrannie,
L’étendard sanglant est levé!
L’étendard sanglant est levé!
Entendez-vous, dans les campagnes,
Mugir ces féroces soldats?
Ils viennent jusque dans nos bras
Egorger nos fils et nos compagnes!

行こう 祖国の子らよ
栄光の日が来た!
我らに向かって 暴君の
血まみれの旗が 掲げられた
血まみれの旗が 掲げられた
聞こえるか 戦場の
残忍な敵兵の咆哮を?
奴らは汝らの元に来て
汝らの子と妻の 喉を搔き切る!

< Refrain >
Aux armes, citoyens !
Formez vos bataillons !
Marchons ! marchons !
Qu’un sang impur abreuve nos sillons !

<リフレイン>
武器を取れ 市民らよ
隊列を組め
進もう 進もう!
汚れた血が
我らの畑の畝を満たすまで!

2番の歌詞原文と和訳

Que veut cette horde d’esclaves,
De traîtres, de rois conjurés ?
Pour qui ces ignobles entraves,
Ces fers dès longtemps préparés ?
Ces fers dès longtemps préparés ?
Français, pour nous, ah ! quel outrage !
Quels transports il doit exciter !
C’est nous qu’on ose méditer
De rendre à l’antique esclavage !
< Refrain >

何を望んでいるのか この隷属者の群れは
裏切者は 陰謀を企てる王どもは?
誰のために この卑劣な足枷は
久しく準備されていたこの鉄枷は?
久しく準備されていたこの鉄枷は?
フランス人よ 我らのためだ ああ!なんという侮辱
どれほどか憤怒せざるを得ない!
奴らは我らに対して企んでいる
昔のような奴隷に戻そうと!
<リフレイン>

3番の歌詞原文と和訳

Quoi ! ces cohortes étrangères
Feraient la loi dans nos foyers !
Quoi ! ces phalanges mercenaires
Terrasseraient nos fiers guerriers !
Terrasseraient nos fiers guerriers !
Grand Dieu ! par des mains enchaînées
Nos fronts sous le joug se ploieraient !
De vils despotes deviendraient
Les maîtres des destinées !
< Refrain >

何と! 外国の軍勢が
我らの故郷に来て法を定めるだと!
何と! 金目当ての傭兵の集団が
我らの気高き戦士を打ち倒すだと!
我らの気高き戦士を打ち倒すだと!
おお神よ! 両手は鎖で縛られ
頸木をはめられた我らが頭を垂れる
下劣なる暴君どもが
我らの運命の支配者になるなどありえない!
<リフレイン>

4番の歌詞原文と和訳

Tremblez, tyrans et vous perfides,
L’opprobre de tous les partis,
Tremblez ! vos projets parricides
Vont enfin recevoir leurs prix !
Vont enfin recevoir leurs prix !
Tout est soldat pour vous combattre,
S’ils tombent, nos jeunes héros,
La terre en produit de nouveaux,
Contre vous tout prêts à se battre!
< Refrain >

戦慄せよ 暴君ども そして国賊どもよ
あらゆる徒党の名折れよ
戦慄せよ! 貴様らの親殺しの企ては
ついにその報いを受けるのだ!
ついにその報いを受けるのだ!
すべての者が貴様らと戦う兵士
たとえ我らの若き英雄が倒れようとも
大地が再び英雄を生み出す
貴様らとの戦いの準備は 整っているぞ!
<リフレイン>

5番の歌詞原文と和訳

Français, en guerriers magnanimes,
Portez ou retenez vos coups !
Epargnez ces tristes victimes,
A regret s’armant contre nous.
A regret s’armant contre nous.
Mais ces despotes sanguinaires,
Mais ces complices de Bouillé,
Tous ces tigres qui, sans pitié,
Déchirent le sein de leur mère !
< Refrain >

フランス人よ 寛大な戦士として
攻撃を与えるか控えるか判断せよ!
あの哀れなる犠牲者を撃つ事なかれ
心ならずも我らに武器をとった者たち
心ならずも我らに武器をとった者たち
しかしあの血に飢えた暴君どもには
ブイエ将軍の共謀者らには
あの虎狼どもには 慈悲は無用だ
その母の胸を引き裂け!
<リフレイン>

6番の歌詞原文と和訳

Amour sacré de la Patrie,
Conduis, soutiens nos bras vengeurs !
Liberté, Liberté chérie
Combats avec tes défenseurs !
Combats avec tes défenseurs !
Sous nos drapeaux, que la victoire
Accoure à tes mâles accents
Que tes ennemis expirants
Voient ton triomphe et notre gloire !
< Refrain >

神聖なる祖国への愛よ
我らの復讐の手を導き支えたまえ
自由よ 愛しき自由の女神よ
汝の擁護者とともに戦いたまえ!
汝の擁護者とともに戦いたまえ!
我らの旗の下に 勝利の女神よ
汝の勇士の声の下に 駆けつけたまえ!
汝の瀕死の敵が
汝の勝利と我らの栄光とを見んことを!
<リフレイン>

7番の歌詞原文と和訳

Nous entrerons dans la carrière
Quand nos aînés n’y seront plus;
Nous y trouverons leur poussière
Et la trace de leurs vertus.
Et la trace de leurs vertus.
Bien moins jaloux de leur survivre
Que de partager leur cercueil,
Nous aurons le sublime orgueil
De les venger ou de les suivre !
(Refrain)

僕らは自ら進み行く
先人の絶える時には
僕らは見つけるだろう 先人の亡骸と
彼らの美徳の跡を!
彼らの美徳の跡を!
生き長らえるよりは
先人と棺を共にすること欲する
僕らは気高い誇りを胸に
先人の仇を討つか 後を追って死ぬのみ!
<リフレイン>

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フランス国歌が生み出された理由や歴史

フランス国歌である「ラ・マルセイエーズ La Marseillaise」は、1789年〜1799年に起きた市民革命運動である「フランス革命」中に市民を鼓舞するために作られた曲です。

なぜ、フランス革命が起きたのか、フランス国歌にどのような意味があるのか、今から解説しますね。

そもそもフランス革命はなぜ起きたのか?

【フランス革命】わかりやすく解説!王家の暴走!国民の反逆!激動の中世フランスを徹底解説!

↑フランス革命について詳しく解説した動画です。こちらの動画が最もわかりやすいですので、興味がある人はぜひどうぞです。

さて、フランス国歌である「ラ・マルセイエーズ 」ができるきっかけとなったフランス革命ですが、当時フランスは以下のような状況でした。
  • 不平等な封建制度(国民の2%に当たる聖職者と貴族の贅沢な暮らしのために、98%に当たる平民が重税を課され働きつづける)
  • フランスの敵国であるイギリスが英米戦争を開始(イギリスがこれ以上強くならないために、アメリカへ巨額の軍事支援を行う。そのため、さらに平民に重税が課される)
  • 歴史的な小麦の不作。主食であるパンさえ作れず、パンの値段が高騰。(ちなみにこの時にマリー・アントワネットの『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』という言葉が生まれる)
このような多くの平民が不当な扱いを受け、奴隷のように働かされ、怒りが溜まりまくっている時代。

ルソー、モンテスキュー等の多くの啓蒙思想家が『平民がこんな扱いを受けるのはおかしい!もっと平等な社会を作るべきだ』という思考を平民に知らしめていきます。

そしてついに平民の怒りが爆発し、貴族や王族達から自らの自由を勝ち取るためにフランス革命が起こるのです。

フランス国歌の意味は?

フランス国歌である「ラ・マルセイエーズ」ですが、簡単に言うと「我らを苦しめてきた貴族供をやっつけるんだ!たとえ自分たちにどれだけ犠牲が出ようとも、勝ち抜くまで戦い続けるんだ!」という内容になります。

リフレインで繰り返される「sang impur(汚れた血)」ですが、敵の血ではなく「汚れた平民の血=自分たちの血」とも訳されます。

つまり、「自分たちの血が多く流れて田畑が赤く染まろとも戦い進み続ける。自由のために死を恐れずに最後まで戦い抜く」という平民の硬い決意を表す意味もあるんです。

そう思うと、フランス国歌がカッコいいというか、自分たちで自由を勝ち取るための誇り高い曲に聞こえてきますよね。

と、ここまでのことを踏まえて、フランス国歌を超訳すると以下のようになります。

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ヤバいフランス国歌を勝手に分かりやすく超訳してみた

1番

行くぞ、我らの仲間よ!戦うんだ!

ついに栄光の時がやってきた!

我らに圧政を課してきた暴君共が

我らの血にまみれた旗を掲げている。

奴らの残忍な雄叫びが聞こえるか?

奴らは今から我らの妻や子の喉を掻っ切るつもりだぞ!

<リフレイン>

武器を取るんだ、市民らよ!

隊列を組み、進むんだ!

我らの赤い血を大量に流しあげ

我らの畑を真っ赤に染めあげるまで戦い続けるんだ!

2番

目の前にいる敵どもは何をするつもりだ?

圧政を課してきた王や貴族どもは何をするつもりだ?

冷たく重い鉄の足枷を準備して何をするつもりだ?

同胞よ、奴らはあの足枷をまた我らにつけるつもりだ!

こんな侮辱を許していいのか?

今こそ我らの怒りを見せつける時だ!

奴らはまた我らを自分たちの奴隷に戻すつもりだぞ!

3番

何てことだ!

奴らは我ら国民を踏みつけるために外国と手を組んだぞ!

何てことだ!

金目当ての薄汚い傭兵が気高き我らに牙をむく!

おお神よ!

国民を陥れるために外国と手を組む卑劣な王など

もはや我らの王ではない!

4番

暴君どもよ、覚悟するんだ!

我らの怒りに戦慄し、震え上がれ!

ついに我らを苦しめてきた報いを受ける時がきた!

たとえ我らの若き獅子が道半ばに何人倒れようとも

我らの意志を引き継ぐ新たな英雄がすぐに生まれだす

貴様らを根絶やしにする準備はすでに整っているんだ!

5番

我が寛大なるフランス人よ

いくら敵といえど

中には王族どもに無理やり戦わされている者もいる

そんな哀れな犠牲者は打つことなかれ、許してやれ

だが、腐った王族共を国外に逃がそうとし

我らフランス人を陥れようとしたブイエ将軍だけは別だ!

奴だけは絶対に許してはならない!

奴の仲間共々血祭りにあげるのだ!

6番

神聖なる祖国の愛よ 我らを導き支えたまえ

愛しき自由の女神よ 我らと一緒に戦いたまえ

輝かしき勝利の女神よ 我らの旗の元にやってきたまえ

すでに勝利は目の前だ 瀕死である敵どもに

我らの勝利と栄光を見せつけてやるのだ!

7番

我らは自らの意志で進んでいくのだ!

いくら同胞の亡骸が積み重なろうとも

その亡骸に気高き意志が見えるだろう

貴族共に従い、虐げられながら生き長らえるくらいなら

我らは気高い誇りを胸に戦い続けるのだ!

たとえ同胞の後を追うことになろうとも

我らの誰かが同胞の仇を討ち取り勝利するまで!

 

*あくまで私が勝手に超訳したものです。解釈が異なる部分があると思いますが、ご容赦くださいませ。

誰でも歌えるフランス国歌

https://youtu.be/2TIG2KH8R6A

「フランス国歌ってカッコいいな。歌ってみたいな」と思っても、フランス語なのでなかなか歌えるものじゃないですよね。

そんな人でも上の動画を見たら、あら不思議。

簡単にフランス国歌が覚えられるかも!?

と、ちょっとしたおふざけ動画ですが、私的にはけっこう気に入っています。

フランス国歌を歌ってみたいけど難しい!という人はぜひ聞いてみてください(笑)

 ラ・マルセイエーズの歌詞がひどい!まとめ

いかがだったでしょうか?

残酷に聞こえるフランス国歌ですが、実は自由を勝ち取るために誇り高い決意の歌なのです。

 

フランスといえば、映画「レ・ミゼラブル」も有名ですよね。

「レ・ミゼラブル」はフランス革命後の7月革命が舞台となるのですが、映画の中でたびたび登場する「民衆の歌(The People’s Song)」はフランス国歌である ラ・マルセイエーズに影響を受けたものです。

ラストのバリケードシーンで大合唱される「民衆の歌」も、「ラ・マルセイエーズの本当の意味」がわかって聞くと鳥肌モノですよね。

 

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