ソ連とロシア、ソビエト連邦共和国の違い。ロシアは何主義?

ロシア、ソ連、ソビエト連邦共和国の違いは?
 

「ソ連とロシアの違いって?」

「ソ連とソビエト連邦共和国ってどう違うの?」

「ロシアは何主義なの?」

 

ロシアといえば現在イロイロと話題になっている国ですが、昔はソ連と呼ばれていた時代もありました。

つまり、簡単に言えばソ連が今のロシアに変わったということなのですが、「ソ連とロシアって何か違いがあるの?あるとしたらどんな違いなの?」と気になってきますよね。

 

そこで今回は「ソ連とロシアの違い」についてご紹介。

 

なぜソ連が崩壊したのか、社会主義とは何だったのか、歴代大統領はどういった政策を行ってきたのか、現在のロシアは何主義なのか等、イロイロとできるだけ分かりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧くださいませ。

スポンサーリンク

ソ連とロシア、ソビエト連邦共和国の違いは?

ソ連とは?

小学生でもわかるソビエト連邦の歴史

*↑ソ連についてはこちらの動画がすごくわかりやすいです。ソ連について知りたいけど難しい解説は苦手…という人はぜひ。最初に少し「大丈夫かな、これ」と思うかもですが、しばらく見たらめちゃめちゃ分かりやすく勉強になります。

 

まず、ソ連とは、1922年から1991年まで存在した世界初の「社会主義国家」であり、世界で最も広い面積を誇っていた国でもあります。

ソ連といえば「社会主義」でしょう。

社会主義とは「全国民が同じだけ働き、同じだけの報酬を得る。そうすれば国民皆平等になる」という考えで、この考えを実現しようとしたのが「レーニン」です。

レーニンは社会主義を実現するために以下のことを行います。
  • 国民の土地を没収する(持っている土地を平等にするため国が全部管理)
  • 自由にビジネスをするのを禁止(自由にビジネスを行うと貧富の差が広がるので)
  • 社会主義に反対する国民を取り締まる秘密警察を作る
こうして、さらに国の全ての権力を中央集権に集め、独裁国家みたいな状態になります。

が、残念ながらレーニンは志半ばで亡くなってしまいます。

 

その後にレーニンの跡を継いだのが「スターリン」です。

スターリンはレーニンが行った社会主義の改革をさらに厳しく行います。

自分に逆らう物は次々に処刑していき、最終的に「逆らう者は皆殺しなバリバリ独裁国家」を作り上げてしまうんです。

 

そんな時にドイツにヒトラーが現れ第二次世界大戦が勃発し、ドイツはソ連にも侵攻を開始します。

最初はドイツが優勢でしたが、冬の厳しい寒さの助けもあり、ソ連はドイツの侵攻を退けます。

最終的にはアメリカもドイツを攻撃し、第二次世界大戦は「アメリカ、イギリス、ソ連の連合軍」が勝利をおさめ、ソ連はますますパワーアップします。

その後、ソ連(社会主義:皆平等に働き平等に給料を得る)とアメリカ(資本主義:自由にビジネスOK)の二大国家で競い合う時代になるのですが、そんな時にスターリンは死去してしまいます。

 

そんな時に現れたのが「フルシチョフ」です。

フルシチョフはスターリンのやり方を批判し、それまでの苛烈な政治ではなく緩やかな政治を行います。

アメリカとの関係も、直接的に戦争するのではなく互いに厳しくにらみ合うような「冷戦状態」に突入するのです。

 

その後、しばらくは冷戦状態が続くのですが、この間にだんだんとソ連の力が弱まってきます。

というのも、社会主義だとどれだけ働いてもみな同じお給料です。

すると「真面目に働く方がバカらしい」となり、みな真面目に働かなくなっていき、利益が下がっていくんですよね。

 

そうして右肩下がり状態のロシアに現れたのが「ゴルバチョフ」です。

ゴルバチョフは「このままではソ連はダメだ。社会主義による独裁国家は間違いだ」とし、以下の2つでソ連の政治体制を改革しようとします。

・ペレストロイカ(経済の自由化)

・グラスノスチ(言論・集会・思想・出版・報道の自由、民主化)

が、このペレストロイカ&グラスノスチ政策によって、それまで押さえつけられていたソ連の少数民族が「もうこれ以上ソ連は嫌だ!」と反発するようになります。

そういった経緯で最終的にソ連を維持し続けることが難しくなり、1991年についにソ連は崩壊してしまいます。

スポンサーリンク

ソビエト連邦共和国とは?

「ソビエト社会主義共和国連邦」は「ソビエト連邦」とも言われます。

この「ソビエト連邦」は、「ソビエト社会主義共和国連邦」を省略した言葉であり、さらに略した言葉が「ソ連」になります。

つまり、「ソビエト社会主義共和国連邦」とは「ソビエト連邦=ソ連」のこととなります。

ロシアとは?

1991年に崩壊したソ連ですが、この崩壊した後にできたのが「ロシア」です。

実質的に、ソ連の継続国家になります。

ソ連は元々以下の15共和国からなる多民族国家で、首都は「モスクワ」でした。
  • ロシア連邦
  • ウクライナ
  • 白ロシア
  • ウズベク
  • カザフ
  • グルジア
  • アゼルバイジャン
  • モルダビア
  • リトアニア
  • キルギス
  • ラトビア
  • タジク
  • アルメニア
  • トルクメン
  • エストニア
が、ソ連崩壊の際に、それぞれ独立した国家に分れます。

ちなみにこの時に独立した国が以下の通りです。
  • アゼルバイジャン
  • アルメニア
  • ウクライナ
  • ウズベキスタン
  • エストニア
  • カザフスタン
  • キルギス
  • グルジア(ジョージア)
  • タジキスタン
  • トルクメニスタン
  • ベラルーシ
  • モルドバ
  • ラトビア
  • リトアニア
  • ロシア(←これが現在のロシア)
この独立した15ヵ国のうち、最後に書かれている「ロシア」が現在の「ロシア」になるわけです。

ちなみに首都は「モスクワ」のまま継続しています。

スポンサーリンク

ロシアとソ連の違いは?

さて、ロシアとソ連の違いですが、超簡単に説明すると以下の通りです。

・「ソ連」…1922~1991年の間の国名

・「ロシア」…1922~1991年以外の(1922年以前&1991年以降)国名

厳密にいうと違うのですが、まぁ、こんな感じの理解である程度は通じます。

とはいえ、これだけの違いだと少し寂しいので、もう少し異なるところも紹介しようと思います。

面積・領土の違い

ソ連とロシアの違いですが、まず大きく変わったのは「面積」ではないでしょうか。

ソ連の時は最大15ヵ国からできていて、それはもうめちゃめちゃ広い面積でした。

が、この広大だった面積がソ連崩壊で「ロシアだけの面積」になります。

【ソ連とロシアの面積】

・ソ連の面積…約22,400,000 km²

・ロシアの面積…約17,100,000 km²

 

【その他の国の面積】*比較のために書いてみた

・アメリカの面積…約9,834,000 km²

・中国の面積…約9,597,000 km²

・日本の面積…約377,900 km²

とはいえ、ソ連時代の15ヵ国の中でも、ダントツ「ロシア」の面積が広かったからですね。

ソ連と比べて狭くなったとはいえ、今でもロシアが「世界で最も広い土地を持つ国」です。

ロシアは何主義?

ソ連といえば「社会主義による独裁国家」でしたよね。

が、ソ連が衰退していき「社会主義による独裁国家は失敗だった」とし、ゴルバチョフが「民主化」を進めます。

そしてソ連崩壊後もこの「民主主義」が進められていくのですが、70年以上も続いた社会主義が突然なくなるのです。

それまで仕事を与えられ、与えられた仕事をなんとなく行うだけだった人たちに「さあ、自由に働け」と言われても、なかなか難しいですよね。

民主主義になり多くの国民が混乱しまくり、汚職も進みます。

かつて「最も強い国」とも言われたロシアが衰退していくのです。

 

そんな時に現れたのが私達も知っている「プーチン」です。

プーチンは「ロシアをもう一度強い国にする!」と宣言し、国民から多くの支持を得ます。

プーチンはロシア大統領選挙で毎回多くの票を得て大統領になっていますので、一応は「民主主義」という形になっています。

が、この選挙は本当に国民の正しい声を反映しているものなのか…と疑問視する声も多いです。

形としては「民主主義」とはなっているものの…果たして本当にロシアは民主主義国家なのか。

あなたはどう考えるでしょうか?

ロシアとソ連の違いまとめ

いかがだったでしょうか?

ソ連とロシアの違いですが、簡単に言えば以下の通りです。
  • 1922~1991年の間の国名がソ連。それ以外がロシア。(厳密に言えば少し違うけど、ザックリいうとこんな感じ)
  • 面積や領土の違い(ソ連は15ヵ国集まった連邦なので広い)
  • ソ連は社会主義での独裁国家、ロシアは一応民主主義国家という形をとっている
この記事が参考になれば幸いです。

 

↓こちらの記事もオススメ↓

タイトルとURLをコピーしました