私は大学時代に心理学を勉強していた事もあり、精神病院で働く臨床心理士やソーシャルワーカーの友人が何人かいます。んで、彼女らからよく聞く話が
「梅雨はうつ病が悪化しやすく、健康な人でもうつ病になる人が増える」
との事です。確かに梅雨時期って雨が多くて気分も落ち込みやすいですよね。自律神経系と何か関係があるのでしょうか?
個人的にも興味深い話だったので、臨床心理士やソーシャルワーカーの友達に「梅雨とうつ病の関係」についてアレコレと尋ねてみましたよ。
友達の話を元に「梅雨にうつ病になりやすかったり、症状が悪化する理由」や「うつ病の初期症状」、「梅雨に効果的なうつ病対策」等についてまとめてみましたので、興味がある人はぜひ読んでみてくださいね。
梅雨にうつ病が悪化する原因はなに?
梅雨にうつ病が悪化する原因1 自律神経の乱れ
そもそも何で梅雨にうつ病が悪化したり、健康な人でもうつ病になりやすいかというと、「気圧の変化で自律神経が乱れやすい」というのが理由です。
というのも、梅雨は天気が不安定。晴れたかと思うと雨が降り、雨が降ったかと思うとすぐにやみ、また晴れる・・・みたい事が多いですよね。この雨が降ったり晴れたりしている時、気圧が急激に上がったり下がったを繰り返しています。
この時、私たちの身体の中の自立神経がどうなっているかというと、
高気圧 → 交感神経が活発化
・内臓が収縮する
・身体が冷えやすくなる
・血管が細くなり、血の循環が悪くなる
・身体が冷えやすくなる
・血管が細くなり、血の循環が悪くなる
低気圧 → 副交感神経が活発化
・内臓が膨張する
・むくみやすくなる
・血管が広がり、痛みを感じる神経を圧迫するので頭痛などが起きる
・むくみやすくなる
・血管が広がり、痛みを感じる神経を圧迫するので頭痛などが起きる
このように高気圧と低気圧では「交感神経」と「副交感神経」という全く違う自律神経が活性化し、身体に間逆の変化が起こります。
気圧が目まぐるしく変化しやすい梅雨の時期はこのように自律神経の「交感神経」と「副交感神経」がぐるぐると変化するので、身体に負担がかかり体調を崩しやすいんです。
そりゃ、うつ病も悪化しちゃいますよね(´Д`)
また、その他にも自立神経は「体温を調整する働き」もしています。暑い時には血管を広げたり汗をかいたりして熱を外に逃がし、寒い時は血管を縮めたり体を震わせたりして熱を閉じ込めてくれるんです。
梅雨時期って暑いと思って半袖でいると、急な雨や室内の冷房で逆に寒くなったりしますよね。
梅雨は自立神経からしたら「暑いの?寒いの?どっちなの??」ととてもストレスフルな環境になりやすいんです。こんな状態が長く続くと自立神経も混乱して疲れてしまい、うまく機能しなくなっちゃうんです。
梅雨にうつ病が悪化する原因2 日光不足
梅雨の時期は雨が多く、太陽の光を浴びる時間が短くなってしまいますよね。「それがどうしたの?」という声が聞こえてきますが、実はこの日光には隠されたスゴイ力があるんです。
というのも、人は太陽の光に当たる事で「セロトニン」という脳内物質を作り出します。聞いて驚く事なかれ。実はこの「セロトニン」、人に安らぎを与え、心身を安定させるスゴイ力があるんですよ。
確かにぽかぽか天気の日に庭で日光浴なんかすると、幸せな気分になりますよね。
梅雨時期は太陽があまり出ないので、このセロトニンが不足し、うつになりやすいんです。
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梅雨に自律神経が乱れるとどうなるの?うつ病の初期症状は?
梅雨に自律神経の乱れが悪化すると「自立神経失調症」になり、身体に様々な変化が現れます。そしてこれらの変化は、うつの初期症状でもあります。
「うつ病」というと「心の病」というイメージですが、突然「がっつりうつ病」になるワケではありません。前段階として先に体に変化が現れるんです。
体が「危険信号」を発し、SOSを叫んでいるんですね。
うつ病の治療ではこのSOSをいち早く察知し、「初期症状」の段階で正しい対策を行う事が重要です。「ただの疲れだろう」とか「甘えだろう」とか思って放っておくと、どんどん症状が悪化し最終的に「うつ病」になってしまいます。
今から自律神経が乱れた時、どのような症状が現れるのか紹介しますので、これらの症状が現れた時は、要注意ですよ。
もちろん、すでに「うつ病」と診断され症状が回復してきた人も、梅雨はうつ病が再発したり、症状が悪化しやすい時期です。これらの症状が出てきたら、担当医に早めに相談しましょう。
うつ初期症状1 睡眠障害
夜に眠れなかったり、朝早くに目が覚めます。また、二度寝したら今度は起きれなくなったり、職場でも眠気を我慢できず、うたた寝してしまう事があります。うつ初期症状2 食欲不振
急に食欲がなくなります。2~3日食欲がない程度ではなく、全く食欲がわかず、周りから「痩せたね」と指摘される程体重が落ちます。人にもよりますが、1ヵ月で2~6キロのペースでがくんがくんと痩せていきます。
うつ初期症状3 めまい、耳鳴り、動悸、多汗
自立神経の乱れでこういった症状が現れます。その他にも息苦しさを感じたり、発熱し、微熱が続いたりもします。特にめまいは状況によっては「大きな事故」に繋がる事もあり、大変危険です。他の病気の可能性もありますし、早めに病院を受診しましょう。
うつ初期症状4 頭痛、肩こり、腰痛、身体のあちこちが痛い
同じく自立神経の乱れで酷い頭痛が起きやすいです。鎮痛剤を飲んでも痛みが取れなかったり、病院の内科を受診しても「異常なし」と診断されるなら「うつ病の初期症状」の可能性があります。うつ初期症状5 だるい、やる気がでない、仕事でミスが増える
以前は楽しかった趣味に興味が持てなくなり1日中ぼーっとしてたり、朝起きるのがつらく、仕事に遅刻したりします。集中力も落ち、作業でのミスも増えます。うつ初期症状6 生理不順
ホルモンの分泌の変化によって生理不順になりやすく、生理痛も酷くなりやすいです。これらの症状が現れたら身体は完全にSOSを発しています。「これくらい大丈夫」と思わずに、早めに精神クリニック等を受診しましょう。できるだけ早く受診した方が悪化するのを防げますし、予後も良くなりますよ。
梅雨のうつ病対策は?
さて、ではこれらの症状が出てきて「梅雨のうつ病」にならない為に、どのような対策をとれば良いかですが、梅雨のうつ病の大きな原因の1つが「自立神経の乱れ」ですので、基本的には「自立神経を整える」ような予防を行うと良いですね。
具体的にはこのような行動を心掛けてみてください。うつ病まではいかなくても「梅雨の体調不良」にも効果的ですので、梅雨時期に体調を崩しやすい人もぜひ試してみてくださいね。
梅雨のうつ病対策1 衣類の調整を行う
自律神経は暑さと寒さが急激に変化する事で狂いやすくなります。ですので、暑い時には半袖、寒い時には長袖と暑さに合わせた服装を心掛けましょう。また、職場などの室内ではエアコンが効きすぎて寒い事もありますよね。そういった時の為に、上にすぐ羽織れる服を1枚用意していると良いですね。
梅雨のうつ病対策2 身体を温める
梅雨時期は雨や冷房等で体が冷えやすいので、身体を温める対策が有効的です。・お風呂はシャワーだけですませず、ゆっくりと湯船に浸かる
・エアコンの温度を低くし過ぎない
・身体を動かし適度な運動を行う
・冷たいジュースやアイスを食べ過ぎない
・毎朝、温かいお茶やスープを飲む
これらの事に気を付けると身体もリラックスできますし、自律神経を整える助けになりますよ。
梅雨のうつ病対策3 日光浴を行う
梅雨の時期は雨が多く、太陽が出ている時間が少ないです。そこで、雨があがりの晴れている間は積極的に外に出て日光を浴びるようにしましょう。日光を浴びて幸福感を感じる「セロトニン」をいっぱい作りだしてくださいね。
散歩をしながらの日光浴だと、同時に身体を動かす軽い運動にもなって丁度良いですよ(*´ω`*)
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梅雨のうつ病が悪化!原因と対策まとめ
いかがだったでしょうか?梅雨は気圧の変化や気温の変化で自律神経が乱れ、うつ病が悪化したり、うつ症状が出やすくなっています。対策としては自律神経を整えられるよう身体を温めてあげる事が重要ですよ。また、うつの初期症状が現れたら、「これくらい大丈夫」と思わずに早めに精神科を受診してくださいね。